水戸市見和の内科、外科、胃腸内科、肛門外科、乳腺・甲状腺外科なら見和中央クリニック|禁煙外来

〒310-0911 茨城県水戸市見和1丁目336-6

029-227-1235

禁煙外来

当院では健康保険を使った禁煙サポート治療をご提供しています。治療の大まかな流れは下記のとおりです。

  1. ニコチン依存症の判定を行い、保険診療が可能かどうかを判定します。
  2. 一酸化炭素濃度の測定
    息の中にタバコを吸うと増加する一酸化炭素がどれくらい含まれているかを確認し、定量化します。
  3. 禁煙を開始します。ご自身のみではなく、医師やご家族にも禁煙を宣言しましょう。
  4. 禁煙補助薬の使用
    ニコチン切れ症状に対して禁煙補助薬を用いて対応します。
  5. 12週間治療を続け、禁煙の成否を最終判定します。

たばこと禁煙のQ&A

昨今、喫煙が体に悪影響を及ぼすということは、ほとんどの方がご存知だと思います。しかし、本当にその怖さをわかっている方は少ない印象です。そして今、世界では600万の人がたばこを原因として命を失っています。喫煙者が亡くなるのはまだしも、喫煙者のたばこの煙を受動喫煙してしまった結果亡くなる非喫煙者が、喫煙者死亡数の10分の1の60万人にも上り、大きな問題となっています。2007年、WHOは受動喫煙防止ガイドラインにて警鐘を鳴らしていますが、わが国では国策としてたばこを販売していた過去もあり、禁煙対策が先進国とは思えないほど立ち遅れています。このページでは、より直感的に禁煙の重要性をご理解いただけるようQ&A方式で記載いたしました。ぜひご覧いただき、禁煙の重要性をご理解いただければと思います。

Q:タバコはどんな病気を引き起こしますか?

A:たばこによって危険性が確実に高くなるものは、がんです。多くの方がたばこといえば肺がんをイメージすると思いますが、肺がんのみならず、口腔がん、咽頭がん、喉頭がんなど直接煙が接触する部分のがんの発生確率も跳ね上がります。また、高濃度の有害物質が唾液に混ざり、それを飲み込むことで食道がん、胃がんの発生も高まりますし、血中に溶け込んだ発がん物質は全身をまわり、膀胱がん、肝臓がん、すい臓がん、子宮がんなどの一見喫煙とは関係なさそうながんの発生確率も高まります。

たばこの煙は血管を収縮させる作用が非常に強いため、心臓の血管が収縮して心筋梗塞、狭心症のリスクも高まり、同じように脳や手足の血管も詰まりやすくなります。その結果、脳こうそくの発生確率も飛躍的に上昇することがわかっています。

そのほか、肺の組織の破壊によって肺気腫にもなりやすく、口腔内衛生状態の悪化から歯槽膿漏、また、ニコチン依存症のような脳の病気になることがはっきりしています。

Q:具体的にタバコのなにが悪さをするのでしょうか。

A:タバコの煙の中には4000種類の化学物質が含まれており、そのうち200種類が有害物質です。その有害物質のうち70種類の化学物質が特に発がん性が高い物質です。よく耳にする有害物質としては、毒物カレー事件で有名な「ヒ素」、社会の教科書にも出てきますが、公害の原因物質で知られる「カドミウム」、ごみ焼却問題で報道された「ダイオキシン」なども大量に含まれています。ごみ焼却問題を語る前に、もっともっと高濃度のダイオキシンを自ら吸い込んでいるということを知っていただければと思います。

Q:がんや心筋梗塞、脳こうそく以外に、あまり知られていないたばこの害を教えてください。

A:タバコの強い血管収縮作用により血圧が上昇し、高血圧になる可能性が高まります。また、脳の血流も低下しますので、認知症リスクも高まります。ニコチンの覚醒作用から睡眠障害やパニック障害、メンタルの障害の発生リスクも高まり、うつ病発生リスクも非喫煙者の2倍以上になっています。タバコは体のみならず心の不調の原因でもあります。

Q:受動喫煙はマスクをすれば防げますか?

A:全く効果は期待できません。たばこの有害物質は粒子成分よりもむしろガス状成分に多く含まれています。ガスはマスクでろ過することはできませんので、ほぼ無効と思っていただいたほうが良いでしょう。たばこのにおいが感じられ時点で、目に見えない有毒ガスを吸い込んでいると考えてよいでしょう。

Q:飲食店で全面禁煙が検討されていますが、やり過ぎではないですか? 禁煙、喫煙で席を分ければ十分じゃないですか?

A:世界の常識として、受動喫煙防止法がない国は珍しくなっています。あのPM2.5で有名な北京でさえ2015年に室内全面的に禁止となっており、テレビでも報道されました。タバコの煙をPM2.5の観点で考えると、タバコが吸えるレストランのPM2.5の濃度はほぼ北京のPM2.5の警報レベルと同じです。

また、喫煙後の喫煙者の呼気には目に見えない有毒ガスが多く含まれており、喫煙後およそ5分以上排出されています。周りの人がその有毒ガスを吸うことによって受動喫煙が生じてしまいます。喫煙後の呼気がきれいになるには30分ほどかかるため、目に見えないから大丈夫と考えることは誤りです。

Q:それでもストレスが多い毎日で、ついたばこを吸ってしまい、やっぱりやめられないのですが。

A:いつタバコを吸いたくなるかよく考えてみてください。朝起きたとき、食後、仕事が終わった後、家でテレビを見ているとき、飲み会の席・・・ こういう時にタバコが吸いたくなるのではないでしょうか。しかし、よく考えると、こういうときって本当にストレスがかかっていますか? むしろリラックスしている時ではないでしょうか。つまり、ストレスがかかるからタバコを吸うのではなく、脳がニコチン依存症になっていることが本当の原因です。ストレスを軽減するために喫煙するという考えはまったくの幻想で、逆に、本当にストレスを軽減させるには禁煙が有効であることが科学的に証明されています。

Q:電子タバコなら安心ですか?

A:電子タバコであってもニコチンなどの有害物質を体内に取り込むことにより、紙巻きたばこと同じように血管の収縮が起き、心臓、脳などの血管が詰まりやすくなります。その結果、心筋梗塞、脳こうそくのリスクが高まります。電子タバコだからといって安心ということは全くありません。電子たばこの煙であってもなるべく吸い込まないように注意しましょう。

当院では自分の意志だけではどうしても禁煙できない方を対象に、禁煙外来を行っています。保険適応ですのでお気軽にご相談ください。

まとめ

以上のように、たばこは百害あって一利なしと断言できます。ご自身の健康のみならず、大切なご家族をも危険にさらさないためにも、禁煙を強く推奨いたします。多くの喫煙者がすでにニコチン依存症となっており、ご自身の努力のみでは禁煙の成功はかなり困難になっています。禁煙はあくまで「依存症の治療」としてとらえ、なんとしても健康的な生活を取り戻していただければと思います。

当院では禁煙外来を開設しております。もし少しでも禁煙のご希望がありましたら積極的にチャレンジしてみることをお勧めします。