水戸市見和の乳腺・甲状腺外科なら見和中央クリニック

〒310-0911 茨城県水戸市見和1丁目336-6

029-227-1235

乳腺・甲状腺外科

乳腺外科について

乳腺外科について

当院の乳腺外科は、乳腺に関する全般的な診療をいたします。
「乳房にしこりを触れる」「乳房に痛みがある」「乳房が張った感じがする」「妊娠していないのに乳汁が出る」など、乳腺に関して少しでも気になる症状がみられたら、一人で悩んでいないで、お気軽にご相談ください。
皆様の乳腺「かかりつけ医」として、親身で丁寧な診療をいたします。

こんな症状はご相談ください(例)

  • 乳房にしこりを触れる
  • 腋の下にしこりを触れる
  • 乳房が赤く腫れている
  • 乳房が熱をもっている
  • 乳房に痛みがある
  • 乳房が張った感じがする
  • 乳房の皮膚にへこみやひきつれがある
  • 乳房に潰瘍ができて治らない
  • 腕を上げると痛みが走る
  • 腕を上げると乳房にひきつれ感が生じる
  • 乳首から分泌液(赤・褐色)が出る
  • 乳首にただれが見られる
  • 乳がん検診を受けたい
  • 健(検)診などで要再検査と言われた
  • 乳がん手術等の治療を受けたので経過観察をしてほしい など

乳がん検診

乳がん検診の方法には、視診・触診、超音波検査、マンモグラフィ検診(当院ではできません)などがあります。以下、それぞれについて説明します。

視診・触診

乳房全体を目で見て(視診)、あるいは手で触れること(触診)によって乳房の形、皮膚、乳頭などに何か異常は無いか、またしこりなどが生じていないかを確認します。脇の下や鎖骨上のリンパ節についても調べます。
乳腺の専門医なら、しこりの有無やその状態を触診することによって、「乳がんかどうか」がある程度は推察できます。
自分では見つけられないような小さなしこりが発見されることもありますので、30歳を過ぎたら、年に1回は定期的な検診(視診・触診)をお受けになるよう、お勧めいたします。

超音波検査

診察台の上に仰向けになり、乳房に超音波をあてて、乳房内部からの反射波(エコー)を画像化し、乳腺の状態を調べる検査です。乳腺は白く、がんは黒く描出されます。痛みは無く、侵襲(体への負担)はほとんどありません。数ミリの小さなしこりを見つけ、しこりの性状も詳しくわかる検査で、X線検査のような被爆が無いため、妊娠中も安全に行えます。ただし、細かい石灰化(カルシウムの沈着)や性状および範囲は確認できません。石灰化の良・悪性の判別に関しては、マンモグラフィの方が優れています。

乳腺外科で診療する代表的な疾患

乳腺炎

乳腺炎とは、文字通り乳腺(母乳をつくって分泌する器官)が炎症を起こしてしまった状態のことです。乳腺炎は産褥期(分娩後、体が妊娠前の状態に戻っていく時期)に起こりやすく、赤く腫れ上がったり、熱が出たりもすることがあります。膿が出たりして治りにくいケースもあるので、診察時には炎症の程度を観察し、抗生物質の投与や、穿刺(注射で膿を抜き取る)や切開などの外科的処置が必要かどうかを判断します。
乳汁の流れが悪くなり、マッサージや授乳後にもしこりが生じて疼痛が増し、熱が出るような場合は乳腺炎の可能性がありますので、受診してください。

乳腺炎によくみられる症状
  • 乳房が熱をもち、しこりができる
  • 乳房が張って硬くなる
  • 痛みが生じて赤く腫れる
  • 腕を上げると胸の辺りが痛む
  • 黄色っぽい乳汁が出る など

乳腺線維腺腫

乳腺線維腺腫は20~30代の女性に見られる良性腫瘍です。しこりに気づいたら、専門医の診察を受け、乳がんなどの悪性疾患でないかどうかを確認しておきましょう。乳腺線維腺腫との診断が確定していて大きな変化が無ければ、手術をせずに定期的な診察で経過を観察します。しかし、急速に大きくなったり3cmを超えたりする場合、また患者様に摘出の希望があるような場合には、手術をすることもあります。

乳腺線維腺腫によくみられる症状
  • 境界の明瞭なしこりが触れる
  • しこりの大きさが1~2cmくらい
  • しこりは弾力があり、ころころと動く
  • 痛みを伴わない など

乳腺症

女性ホルモンのバランスが崩れたことによって乳腺に生じる腫れや張り、乳腺の痛みや灼熱感などを総称して乳腺症と呼びます。30~50歳の女性によく見られ、視・触診などの検査で腫瘤(こぶ)やしこりを認めた場合には、乳がんが隠れていないかを精査する必要があります。しかし乳腺炎や乳がんのような、明らかな疾患とは別物と考えてよいでしょう。通常、治療の必要は無いのですが、痛みが強いような場合にはホルモンブロック剤による治療をします。

乳腺症によくみられる症状
  • 乳房の張った感じや圧痛が生じる
  • 境界の明瞭でないしこりを触れる
  • 症状が月経周期に応じて変化する など

乳がん

乳がんとは、乳管など乳腺組織に発生したがんのことです。乳腺組織の一部の細胞の遺伝子が、様々な要因を積み重ねて変異し、がん細胞となって増殖したものと考えられています。乳がんのほとんどは、小葉を出てすぐの乳管(乳汁の通り道)の壁の細胞が異常増殖するという形で発生してきます。これが乳管がんです。乳がんには小葉(乳汁をつくる組織)から発生するものも5~10%あり、これは小葉がんと呼ばれています。
乳がんは5mm~1cmぐらいの大きさになると、自分でも触って探すことができます。したがって、早期発見のためには自分で気づくことも大切です。ただ、乳がんのしこりは必ずしも硬いものだけとは限りませんし、痛みの有無や程度も様々です。自己検診は重要ですが、自己判断を過信するのはよくありません。また、しこりのほとんどは病的なものではなく、病的であってもがんではないものが大半です。しこりが見つかってもパニックを起こしたりせず、とにかく乳腺専門医を受診してください。

乳がんによくみられる症状
  • 乳房にしこりがある
  • 乳房にえくぼのようなひきつれができた
  • 乳頭から血液のような分泌物が出た
  • 乳頭や乳輪に湿疹やただれが生じた
  • 腕を挙げると、乳腺がひきつれる感じがする など

甲状腺外科について

甲状腺とは

当院の甲状腺外科では、甲状腺に関する全般的な診療をいたします。
甲状腺は、いわゆる「喉ぼとけ」(甲状腺軟骨先端)のすぐ下にある、重さ10~20g程度の小さな臓器で、全身の新陳代謝や成長の促進にかかわるホルモン(甲状腺ホルモン)を分泌しています。蝶が羽根を広げたような形をしていて、右葉と左葉からなり、気管を取り囲むように位置しています。

甲状腺疾患

甲状腺疾患は、女性に多く見られます。ある調査では、健康と思われる40歳以上の成人女性を対象とした健診において、20%程度の高い頻度でなんらかの甲状腺疾患が見つかったという報告があります。
もちろん男性も甲状腺の病気にはなり得るのですが、圧倒的に女性のほうが多く、女性の病気と言っても過言ではないでしょう。

甲状腺疾患の症状

甲状腺疾患の症状は、疲れやすい、むくみやすい、便秘がち、冷えなどの症状や、あるいは逆に動悸がする、イライラして落ち着かない、暑がりで汗をかきやすいなど、多くの女性が日々感じている症状が多いものです。
そのため、ご自身の判断で、「産後の疲れかな」ですとか「更年期だから仕方がない」とか「老いによるものだ」などと諦めてしまっているような方が、実は甲状腺の病気が原因だったというケースがしばしば見受けられます。

主な甲状腺の病気

甲状腺の病気は、大きく下記の3つに分けられます。

  • 甲状腺ホルモンの量が変化する病気
  • 甲状腺内に腫瘤ができてくる病気
  • 上記両者の合併する病気

甲状腺ホルモンの量が変化する病気

  • 甲状腺機能亢進症:バセドウ病*1、無痛性甲状腺炎*2、亜急性甲状腺炎*3など
  • 甲状腺機能低下症:橋本病(慢性甲状腺炎)*4、粘液水腫、手術後甲状腺機能低下症、アイソトープ治療後など

*1バセドウ病
バセドウ病は、甲状腺ホルモンが過剰につくられる病気、すなわち甲状腺機能亢進症を起こす代表的な病気です。バセドウ病では特殊な抗体がつくられ、これが甲状腺を刺激して、過剰に甲状腺ホルモンを分泌させてしまいます。
他の甲状腺疾患と同様に女性に多い病気ですが、その比率は、男性1人に対して女性4人ほどです。 バセドウ病では甲状腺ホルモンが過剰につくられるため新陳代謝が盛んになり、様々な症状を引き起こします。
バセドウ病では、以下のような症状が現れます。

  • 暑がり、疲れやすい、だるい
  • 目つきがきつい、眼球突出、複視、甲状腺腫大
  • イライラ感、落ち着かない、集中力低下、不眠・甲状腺が腫れる
  • 発汗、脱毛、痒み
  • コレステロール低下、血糖上昇、血圧上昇、肝障害
  • 脱力感、筋力低下、骨粗鬆症、手足の震え
  • 動悸、頻脈、心房細動、心不全、むくみ、息切れ など

*2無痛性甲状腺炎
何らかの原因により甲状腺が破壊され、その中に蓄えられていた甲状腺ホルモンが血液中に漏れ出して、一過性の甲状腺機能亢進を呈する疾患です。甲状腺に痛みが生じないために、「無痛性」甲状腺炎と呼ばれます。
もとには橋本病があると考えられていますが、どのような仕組みで甲状腺が壊れてホルモンが漏れ出るのかについては、明らかにされていません。時に、バセドウ病と区別することが難しいケースもあります。
症状としては、動悸、暑がり、体重減少などが、比較的短い期間に認められます。しかし、バセドウ病では治療しないと甲状腺ホルモンの量が低下しないのと違って、無痛性甲状腺炎の甲状腺機能亢進は一過性で、治療しなくてもやがては正常化し、通常は1〜2ヶ月で症状が無くなります。動悸や手の震えなどの症状が強い場合は、対症療法としてβ遮断薬を使い、過労を避けるようにしながら、甲状腺ホルモンの量が低下するのを待ちます。

*3亜急性甲状腺炎
甲状腺に炎症が起こる病気です。全経過が2〜4ヶ月程度と、急性と慢性の中間くらいの期間なので、「亜急性」甲状腺炎と呼ばれます。
原因としては、ウイルスの感染が疑われていますが、まだ明らかにはされていません。
症状についてですが、甲状腺の辺りに痛みを覚えます。前駆症状として、風邪様の症状が出て、それから2〜3週間経ってから、急に発症します。
甲状腺は硬く腫れ、押すと痛みが生じます。痛みは、左右に移動することもあります。また、微熱から40℃近い高熱までの熱が出ることもあります。
甲状腺の破壊の程度が激しいと、甲状腺ホルモンが血液中に流れ出すので、甲状腺機能亢進症の症状、とりわけ倦怠感、動悸、手の震えなどが見られます。しかし、甲状腺に溜まっているホルモンはせいぜい1ヶ月分くらいのものなので、甲状腺機能亢進症の症状は、やがては自然に治まります。甲状腺機能亢進症後の一時期、機能低下症に変じてから正常化するケースもあります。
治療としては、対症療法的に、熱と痛みに対してはサリチル酸製剤を投与します。痛みがひどく重いような場合は、ステロイドを投与することもあります。動悸に対しては、β遮断薬を使ったりもします。

*4橋本病(慢性甲状腺炎)
橋本病は圧倒的に女性に多く見られ、甲状腺機能低下症の代表的な病気です。
甲状腺ホルモンの量が不足して、新陳代謝が低下し、全身が老けていくような症状がみられます。無気力になって頭の働きが鈍くなり、忘れっぽくなって、ひどくなると認知症の原因の1つにもなります。寒がりになり、皮膚も乾燥してカサカサになったり、体全体がむくみ、髪も抜け、眠気が伴い、ボーッとして活動的でなくなったりします。
甲状腺そのものの症状は、甲状腺の腫れです。ちょうど首の正面が腫れていて、硬く、表面がゴツゴツした感じになっています。
橋本病では、下記のような症状が現れます。

  • 寒がり、疲れやすい、動作が鈍い
  • 息切れ、むくみ、心肥大
  • 甲状腺腫大、のどの違和感、ボーッとしたような顔つき
  • 食欲低下、舌の肥大、便秘
  • 脱力感、筋力低下、肩こり、筋肉の疲れ
  • コレステロール上昇、肝障害、貧血
  • 月経不順、月経過多 など

甲状腺内に腫瘤ができる病気

  • 甲状腺良性腫瘍:腺腫様甲状腺腫、嚢胞、腺腫など
  • 甲状腺悪性腫瘍:甲状腺がん(乳頭がん、濾胞(ろほう)がん、髄様(ずいよう)がん、未分化がん)、悪性リンパ腫など

甲状腺にできた腫瘍がホルモンをつくり出し、甲状腺機能亢進を示す病気

プランマー病(甲状腺機能性結節)

きちんと治療すれば治るケースが多い

上記のような甲状腺の病気は、いずれもきちんと治療すれば治るケースがほとんどです。たとえ悪性腫瘍であっても、ほかのがん、例えば胃がんや肺がんなどと比べ、おとなしいタイプが多いので、悪性という診断が下りても悲観すべきではありません。
また、ホルモンの分泌異常で前記のような症状が出ても、内服薬、アイソトープ(放射線ヨウ素)、手術などでしっかり治療すれば、多くは不都合なく生活を送れるようになります。

こんな症状は受診をお勧めします

  • 首に「腫れ」がある
  • 安静にしているのに、心臓がドキドキする
  • 手指が細かく震える
  • 暑がりになり、水をよく飲み、汗をたくさんかく
  • よく食べているのに痩せてきた
  • 体が冷え、寒がりになった
  • イライラしやすくなった、落ち着きがなくなった
  • 肌が乾燥し、カサカサする
  • 体が重く、だるさを覚える
  • 食欲が無いのに太ってきた
  • 朝起きた時に、顔や手がむくんでいる
  • 便秘をしやすくなった
  • 昼間も眠く、居眠りをするようになった
  • 脈がゆっくり静かになった
  • 月経不順になった など